これまでいくつかYouTubeに動画を公開したりしてきたわけですが、PCも新しくなったし、やはりリアルタイム配信もやってみたいね、ということでおためしで、「XBJ-450」で検索するとひっかかる、中国製激安USBキャプチャーがどこまでできるのか、検証してみました。
購入価格は楽天で2280円。Amazonにも同種の製品がいくつかあるようですが、値段がバラバラですね。俺はPCパーツを買ったときについてきたリワードポイントを使って、実際に支払った金額は1000円でした。これで送料無料とか…。(規格外郵便で4日かけて送られてきました)
同梱物は本体とPCとの接続に使用するUSBのA-Aケーブル1本と、給電用USBのmicroB-Aケーブル1本のみ。説明書もついてはいますが非常に簡素で、「1080pに対応していること」は書かれていましたが、フレーム数などそれ以上の記述は見当たらず。また、パッケージにUSB3.0の記述はなし。このアイテムの能力を引き出してあげるには不十分と思い、記事にしてみることにしました。
まず本体。入力端子はmicro USBの電源供給と、HDMIの2つ。出力端子はPCと接続するUSB-Aとパススルー用のHDMI端子の2つです。HDMIのケーブルは付いていないので、1本必要になると思いますから別途準備しましょう。
実はキャプチャーするのにmicro USBの給電は不要なのですが、PCの電源を入れずにパススルー機能のみを使う場合はこのケーブルで電源を供給する必要があります。
パススルー機能は使っていて違和感ありません。ちゃんと1080p/60fpsで画面表示されます。リアルタイムなゲームも問題なく遊べます。
さてキャプチャーの機能面に入っていきます。各所で「USB3.0」とうたわれていますが、
- USB端子の色が白
- ケーブルの端子色も白
- 最高解像度は1080pの30fps
- 60fps出すには720pに落としてやる必要がある
この時点で、USB3.0対応は嘘です。USB2.0程度の転送速度しか持っていないことになります。これは誤認してしまう恐れが高いので、お店の方は修正されることを強くおすすめします。
配信ソフトにはOBS Studioを使用することにしました、というかこれ鉄板ですよね。なんでもできてしまう…。
OBS Studioで認識させるのにはいくつかコツがいります。初回はまあ割と安定で認識するのですが、音声が出ないので設定を変えてやる必要があります。また、2回目以降は環境のせいなのか、一発で画面が出ないのでこれもいちいち設定変更の必要があります。
このあたりは激安ということで、目をつぶりたいところですが無視もできないので、認識させる方法を紹介します。あくまで筆者の環境ですので、異なる場合があっても責任は持てません。
PCとの接続ですが、先程の説明でも書いたとおりmicro USBケーブルは使わず、PCにはUSB A-Aのケーブルで接続。映像ソースをINPUT端子につないだら、キャプチャの準備は完了です。パススルー機能を使う場合はOUTPUT側にもHDMIを差してあげると、遅延なく画面を見ることができます。
まず初めてつないだら、OBS Studioの「ソース」欄にある「+」ボタンを押し、キャプチャデバイスを選択して決定していくと設定画面が開きます。「USB Video」を選択すると、運が良ければすでに画面が出ていると思いますが、ダメなことも多いので、「無効化」「有効化」を繰り返したり、ウインドウの左下にある「既定値」ボタンを1回押してあげると認識すると思います。「既定値」ボタンを押すと設定がリセットされるので、後述の設定をもう1回やってあげる必要があります。
取り込みには0.5秒ほど遅延がかかっているようで、リアルタイム性の高いゲームは取り込み画面を見ながら遊ぶのは困難です。おとなしくパススルーで別の画面で見たほうがよいでしょう。
そして、このままだとおそらく音が出ません。これは、設定画面を一番下までスクロールしていくと音声キャプチャの設定が出てきます。最下部に「カスタム音声出力…」が云々というチェックボックスが出ますので、これにチェックを入れると入力欄が増え、ソースの選択ができるようになり、「USBオーディオ」の項目が登場しますのでこれを選択すると音が出るようになります。
ただ、音がモノラルでしか出ていないという指摘も各所のレビューで見るので、こちらも別途検証していきたいと思います。
さて、解像度の話をします。30fpsで問題ないのであればフルHD(1920×1080)で行えばよいので、設定変更の必要はおそらくありません。しかし60fps出す場合は取り込みの設定を変えてあげる必要があります。
ソースにあるキャプチャデバイスのプロパティから、解像度の設定を「カスタム」にし、1280×720に設定します。さらにフレーム数を60にして「適用」を押すと映像が60fpsになります。入力ソースの解像度をいじる必要はありません。キャプチャー側でダウンスケーリングが行われるようです。
そして、アプリ全体の「設定」から、「出力」を選択して共通fpsが「30」に設定されているのを「60」に変えてあげます。これで60fpsでの録画が可能になります。映像ソースがレトロゲーム機だったり、画面の配置を工夫してあげれば、ゲーム配信などでも問題なく使えることでしょう。
難点はやはり日本語サポートの不安と、USBケーブルが両オスのAであること。ケーブルがない・断線などで欲しくなっても、取り扱っている店が限られているので1本見繕っておくといいかもしれません。あと、キャプチャーしているとだいぶ本体が熱を持ちます。触って持てないほどではないのですが、気にする方はエアフローを考えてあげるといいかもしれません。
・人柱コーナー
各所で言われているUSB3.0対応が本当であれば(2.0としている販売業者もいくつかあるようですが)、USB3.0対応のA-Aケーブルで転送速度が向上するはずです。もちろんハード的に2.0しか積んでいなければ全くの無意味なのですが、誰も試していないようなので人柱やってみます。1000円しないし。
まあダメでしょう、とつないでやってみたところ…
はい、やっぱりダメでしたね。フルHDで60fpsは出ませんでした。
・音は本当にモノラルなの?
さてもうひとつの懸念点、HDMIに入った音がモノラルでしか出てないのではないか、という疑惑です。
これも残念ながら、常時モノラルでの出力になっているようです。音楽配信等には向いていなさそうですね。
・全体的な評価
この値段で、パススルーまでついてUSB2.0ながらもしっかりキャプチャできるのはすごいと思います。不備もあるし認識も若干怪しいところがあるので、用途が限られるかもしれませんが…。
フルHDで60fps出すにはUSB3.0が必須ですが、さすがにそこまで高望みはできない一品です。
まあ、なんとか使えるということで、今回の評価は「普通」とさせていただきます。
これを使った実況配信などもやってみようかと思いますので、ちょっとだけ期待していただけるといいかもしれません。リンクの冒険とか解説付きでやってみたい…。
と、ここまで書いたところで、別のUSB3.0接続の1080p/60fps対応キャプチャーがさらに安く現れたので、もしかするとこっちをレビューすることになるかもしれない…です…。
待て次回!